アメリカの不動産投資終わり その1
先日、日本経済新聞を読んでいて驚きの記事を発見しました。
政府、与党は海外で不動産投資をしている人が、日本国内において節税ができないようにする方針だ、というもの。
日本における不動産投資と、アメリカにおける不動産投資は仕組み、考え方が日本国内とは全く違い、主に日本国内の富裕層が節税目的で購入することが多く、その仕組み自体が他の納税者との間で、公平ではないという考え方からということでした。
近年、アメリカの不動産価格は日本の不動産価格と同じく、値上がりが続いておりますが、それでもアメリカの不動産投資にうまみがありました。
アメリカの不動産投資と日本の違いは、購入価格に対する、建物と土地の予算割合が違います。日本における不動産の予算は、土地代に割かれている割合が多く、建物分の割合が少なく、一般的には予算の2~30%程度が建物、7~80%程度が土地代金になります。
一方アメリカの場合は、建物割合が80%程度のものが多いです。
この建物部分は減価償却といって不動産所得の計算上、経費として計上することができ、その経費が多いと計算上、不動産損失が出てしまい、その分、節税になるという仕組み。
そしてこの図でいうと2000万円という大きな金額を減価償却として経費計上できるのですが、古い物件になるとこの金額を4年間という短期間で償却することができます。
年収1200万円の場合、課税所得金額は780万円、所得税率は23%となり、所得税は約116万円、住民税は約78万円の合計194万円となります。
そして不動産投資を行った場合の一年目の節税効果は、課税所得金額の780万円から不動産損失である608万円を控除できます。
その結果、課税所得金額は172万円。課税所得金額とは税金の計算根拠となる所得の金額なのですが、この金額に対して所得税率が決まりますのでこの金額だと所得税率はわずか5%。所得税額で9万円となります。
住民税の税率は一律10%と変わらないのですが、課税所得金額が減っているため、住民税額もわずか17万円。
ということで、所得税住民税の合計金額はわずか26万円となり。これあくまでも経費が多くかかる1年目の金額ではあるのですが、168万円の節税となっています。
(続く)