アメリカの不動産投資終わり その2
そしてここからが大変な展開です。
2019年11月26日、日本経済新聞のウェブニュースから。
「海外住宅投資の節税認めず、政府与党、富裕層課税強化へ」というもの。
内容は先に申し上げた海外不動産投資で不動産損失を出し、国内の所得と合算し税負担を減らす。ここ数年、富裕層に多いこの節税方法をほかの納税者との公平性を欠くという理由で、この部分の所得税法の見直しをするということです。
ちなみに、このニュースを受けてアメリカ不動産投資を事業として行っているオープンハウスの株価は大幅安となり、こういったニュースも出ておりました。
「オープンハウスが大幅安、海外不動産投資に規制観測」
このニュースを受けて株価は、前日比12.7%の下落ということです。
ここで、実際に税務署に電話をして聞いてみたので、今現在、分かっている部分を整理してみたいと思います。
まず税務署としても、まだ税制大綱が正式に発表されていない中、お話しできることは何もないというスタンスでした。
お話しいただいたのは、2019年12月20日ころ、もしくは2020年12月20日ころに発表されるので、それを待っていただきたいと。
それでは今後の展開はどうなるのか?
一番の問題は、もうすでにこの手法を使って不動産投資を行っている人が、継続して行うことができるのか?それとも今後で不動産登記をする人のみが対象となるのかというもの。
ちなみに、私はファイナンシャルプランナーをやっており、生命保険を扱っておりますが、会社を経営している法人の方が、節税対策で生命保険に加入するケースがとても多かったのですが、2019年からその節税手法が使えなくなってしまいました。ただそのケースでいうと、すでに契約をしていただいている法人の場合は、そのままその保険を使って節税を継続することができ、2019年以降、新規で契約をする場合のみ、節税効果がほぼなくなるという流れになっておりました。
今回はこのすでに所有している人の扱いをどうするのかがポイントになってくると思います。
また適応時期が2021年からなのか2022年からなのかが、現在はわかっておりません。
国内の富裕層向けアメリカの不動産投資、以前から存じ上げておりました。
以前はアメリカの不動産価格も今ほど高くなく、インカムだけではキャピタルも狙うことができ、さらに大きな節税効果が得られるため、富裕層にとって最高の投資先でしたが、現在は、アメリカにおける不動産も価格が上がりすぎており、新規に不動産投資を行う環境ではないように感じます。
それでも大きな節税効果というメリットがあったため、投資先としてアリだと思っておりましたが、この税制の変更により、残念ながらアメリカの不動産投資は終わりだと判断します。